推しという生物について

 小原莉子、という人間が居る。この名前に反応する人は大体「RAISE A SUILENのギタリスト」を思い浮かべるだろう。その人だ。その人が僕の推しなのだが。

 特に深い意味は無いが僕から見えているこの人物について語りたい。

 

 最初にその人を知ったのはBanG Dream!5thLiveにライブビューイングで参加した時だ。蛇足だが、これがバンドリのライブに初めての参加である。当初の目的はDay2、Roseliaのライブで遠藤ゆりかさんの今井リサ役として最後の出番を見届けたい、というものであった。しかし最初に小原莉子さんと出会ったのはDay1のオープニングアクトである。なぜDay1を観たのか、と言われればただの押し間違いである。間違えてDay1のチケットを取ろうとしてしまって「めんどいしもう取るか」の気持ちで取ったのである。その時にオープニングアクトとして登場したのがRAISE A SUILENの前身、THE THIRD(仮)である。バンドリ!のバンドのうちリアルで活動をしない、3組の曲をカバーするのがメインの活動。

 その時披露されたのもその曲達。それに加えてその時唯一のオリジナル曲、R・I・O・Tである。その時の僕にはこの人たちがやっている事は全てが衝撃だった。生演奏が聴けるとは思っていなかった曲達の披露、挑戦的なフレーズが並べられて、今までバンドリに存在しないタイプのボーカルと曲調。正直言ってDay1は完全にTHE THIRD(仮)に持っていかれた。そしてこの時初めて小原莉子という人間を知った。この時は「かわいいなー」とか「変なギターだな」とかの印象。ちなみに声優をフォローしていなかった僕が初めてフォローした声優が遠藤ゆりか、続いて小原莉子だったりする。割と顔に一目惚れではあった。

 THE THIRD(仮)に惹かれてしまった僕は2ndライブが行われる事を知ると速攻ライブビューイングのチケットを確保した。この人たちのフルライブを観るのはこの時が初めて。5thのOAよりも多くの曲が披露され、更にDJ、紡木吏佐の加入もあり更に様々な表情を見せるようにった「RAISE A SUILEN」に更に惹かれた。もちろん、その当時顔が好き程度だった小原莉子さんも更に様々な表情とパフォーマンスにあっと言う間に虜にされてしまった。

 そして決定打となる情報を知ったのはこの1ヶ月後くらい。小原莉子さんの出身地が僕と同じ、という事を知ったのだ。かなりの衝撃だった。詳しく語ると引かれるだろうから簡潔に言うが親近感やらなんやらが大変な事になった。

 書いていてふとこれが小説ならここまでが第1章だろうな、と。

 次に書くべきはバンドリーマー感謝キャラバンというイベントだ。簡単に言えばバンドリのキャストが地方に赴き、そこのファン達と交流、CDの手渡しをするイベントである。

 これは本当に奇跡なのだが、僕のいる場所から一番近い会場に来たのがRAYCHELLさんと小原だった。直接話せる人生最初でほぼ最後かもしれない機会が回ってきたわけだ。しばらくこの話になる。

 イベントは昼と夕方の2回。もちろん僕は両方の参加だ。そもそも映像でしか観ない人達と直接話す機会が初めてで何を話せばいいかなんて全くわからない状態で望んだ昼の部。頭が真っ白な中かろうじて小原さんに「2ndライブの感想、かっこよかったところ」をなんとか伝え夢のような30秒程度は終わった。

 続く夕方の部、ここでは更に夢のような体験が続いた。1つ目は次で僕の番、というところで小休憩を挟み、軽いトークに移ったのだ。会場が楽器店だった事もあり周りの楽器達についてのことを話し始めた。3分ほどだろうか、本当に短いトークの時間が終わり、巡ってくる僕の番。ここまででもすでに夢のようなのだが、ここで「お待たせしてごめんなさい」なんて事を言われて本当にやばかった(僕一人に向けた発言では無いだろうが)

 2つ目は僕の番が巡ってきたタイミングで最初に小原さんから向けられた言葉が「1回目にも来てくださった…?」であった。その時別に目立つ格好でもなかったというのに昼、僕と話してから夕方までの4時間ほどの間、何人もの人と話したはずなのにその間だけでも記憶に残して貰えた事が本当に嬉しかった。そしてその嬉しさのあまり「次のライブ絶対に行きます!」なんて言ってしまった。結果から言えば行けたので良かった。まさかライブの時までそんなのを覚えていたなんて思わないが、それでもその時、小原莉子さんとの約束が達成出来た事に間違いはない。

 その後は約束のバンドリ6th、7thと順当にイベントには参加し、参加するごとにに惹かれていった。

 これ以降特に話す事は無いのだが、強いて言うなら小原さんのツイッターのフォロワー4万人記念に40人にリプ返する、という企画の時にリプを頂いたくらいだ。

 実を言えば執筆時点で「次」のRAISE A SUILENのライブは先行抽選に何枚か積んだが全て落選し、真剣に自死を考えていたほどなのだがなんとか縁と運によって2Daysの両日とも参加できる事になった。

 ここまで人生で人を好きになれたのも初めてなんじゃないか、なんて変なことすら最近は考えている。

 小原莉子さんに応援以上の何かを返したいと思い次のライブでは何かしら贈り物ができたらと考えている。